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譲れない条件の整理の仕方|転職軸に優先順位をつける

譲れない条件の整理の仕方|転職軸に優先順位をつける

転職を考え始めたとき、「給与も上げたい、夜勤も減らしたい、通勤も近いほうがいい」と条件を並べていくうちに、当てはまる求人が一つも見つからなくなってしまうことがあります。希望が多いこと自体は問題ではないのですが、すべてを満たす職場はほとんど存在しないため、どこかで優先順位をつける作業が必要になります。

とはいえ、何を譲って何を譲らないかを決めるのは簡単ではありません。求人を見ているうちに条件がぶれてしまう、家族に相談すると別の意見が出て迷う、内定が出たあとに「やっぱりこの条件が大事だった」と気づく、といった経験をされる方も少なくないようです。

この記事では編集部の視点で、転職の軸となる条件をどう洗い出し、どう順位づけし、どう求人選びに使っていくかを順に整理します。書き出す手順と、条件が競合したときの考え方を中心にまとめていますので、求人を探し始める前の準備としてご覧ください。

目次

なぜ条件の整理が先に必要なのか

条件を整理しないまま求人を見始めると、目に入った情報に判断が引っ張られやすくなります。給与の高い求人を見た直後は給与が最重要に思え、休日の多い求人を見た直後は休日が最重要に思える、という具合に基準が動いてしまうためです。基準が動くと、比べているつもりでも実際には比較になっていないという状態が起こります。

先に自分の軸を言葉にしておくと、求人を見る目的が「自分の条件に合うかを確かめること」に変わります。合わない求人を早い段階で外せるようになるため、限られた時間を有力な候補に使えるようになります。転職活動の期間には目安があり、情報収集から入職まで数か月かかるケースが多いようです。全体の流れを把握しておきたい方は看護師の転職の流れ|情報収集から入職までのステップと期間の目安もあわせてご覧ください。

まず条件をすべて書き出す

順位をつける前に、思いついた条件をいったん全部書き出します。この段階では実現できそうかどうかを考えず、細かいものも含めて並べるのがポイントです。頭の中だけで考えていると同じ数個の条件を行き来してしまうため、紙でも表計算でも構わないので目に見える形にしておくと整理が進みます。

  • 勤務形態に関すること。夜勤の有無と回数、二交代か三交代か、日勤のみを希望するか
  • 時間に関すること。始業と終業の時刻、残業の量、休日の日数、有給の取りやすさ
  • お金に関すること。月の手取り、年収、賞与、退職金、住宅手当などの各種手当
  • 場所に関すること。通勤時間、通勤手段、転居の可否、駐車場の有無
  • 仕事の中身に関すること。診療科、患者層、身につけたい技術、役割の広さ
  • 環境に関すること。職場の規模、教育体制、チームの雰囲気、相談しやすさ
  • 生活に関すること。家族の予定、育児や介護の事情、学習や資格取得の計画

書き出すときは、「残業が少ない」ではなく「残業は月10時間くらいまで」というように、できるだけ数字や具体的な状態で書くと後の判断に使いやすくなります。数字が分からない項目は「今より減っていればよい」といった相対的な表現でも構いません。大切なのは、自分が何をもって満たされたと判断するかを言葉にしておくことです。

三つの層に振り分けて順位をつける

書き出した条件を、そのまま1位から順に並べようとすると手が止まりやすくなります。おすすめしやすいのは、まず三つの層に振り分けてしまう方法です。層に分けたあとで、いちばん上の層の中だけで順番をつければ、判断の負担がかなり軽くなります。

層意味目安の数使い方
絶対条件満たされないなら応募しない条件2つから3つ求人を最初にふるいにかける基準にする
重視条件できれば満たしたいが交換の余地がある条件3つから5つ候補が複数残ったときの比較材料にする
希望条件あれば嬉しい程度の条件数に制限なし最終的に迷ったときの決め手として使う

絶対条件を2つから3つに絞るのがこの作業の要になります。5つも6つも絶対条件にしてしまうと、該当する求人がなくなり、結局どれかを崩すことになります。それなら最初から、崩さない条件を少数に決めておくほうが、途中でぶれずに進められます。

絶対条件を絞るときの考え方

絶対条件に入れやすいのは、崩したときに生活が回らなくなる条件です。子どもの送迎の時間に間に合わない、通院が続けられない、住宅費が払えないといったものは、他の条件でうめ合わせができません。逆に、給与や役職のように「今すぐでなくても後から変えられる可能性がある」条件は、重視条件に置いておくほうが選択肢を広く保てます。

迷ったときは、「その条件が満たされない職場に1年間通えるか」と自分に問いかけてみる方法があります。通えないと感じるなら絶対条件、我慢はするが通えると感じるなら重視条件、という形で振り分けると判断がしやすくなります。育児や介護の事情がある場合は、両立できる働き方そのものに選択肢があるため、育児と両立できる働き方の選択肢|時短・日勤常勤・訪問看護で候補を広げてから条件を決める方法もあります。

条件がぶつかったときの調整の仕方

条件を並べていくと、両立しにくい組み合わせが見えてきます。よくあるのが、収入と夜勤の関係です。夜勤手当が収入の大きな部分を占めている場合、夜勤を減らせば収入も下がりやすくなります。同じように、教育体制の充実した大きな病院を選べば業務の幅も広がりやすく、残業が増える可能性があるという関係もあります。

こうした関係に気づいたら、どちらかを諦めるのではなく、「どこまでなら受け入れられるか」という幅で考えてみてください。収入は今より下がってもよいが月に2万円までなら許容できる、夜勤はゼロでなくてよいが月2回までにしたい、という形で線を引いておくと、求人を見たときに判断が早くなります。

また、人間関係を理由に転職を考えている場合は、条件の書き出しに「避けたい状況」も加えておくと役立ちます。何が合わなかったのかを具体的に言葉にしておくと、次の職場で同じ状況を選ばずに済む確率が高まります。整理の手順は人間関係が理由の転職|次の職場で繰り返さない整理の仕方で詳しく触れています。

整理した軸を求人選びに使う

軸ができたら、求人を見る順番も決まってきます。まず絶対条件で候補を絞り、残った求人を重視条件で並べ、最後に希望条件で決め手を探すという三段階です。この順番で進めると、条件を一つずつ確認する手間が減り、見落としも起きにくくなります。

候補が3件から5件くらいに残った段階では、表にして横並びにすると差が見えやすくなります。並べ方や項目の選び方は複数の求人を比べるときの整理の仕方|比較表の作り方で具体的に整理しています。求人票の記載だけでは分からない項目は、面接や職場見学で確認する項目としてメモに残しておくと、聞き忘れを防げます。

なお、軸は一度決めたら変えてはいけないものではありません。求人を見ていくうちに、思っていたより大事だった条件や、意外と気にならなかった条件が見えてくることがあります。その気づきがあったときは、なぜ変わったのかを一言添えて更新しておくと、後で振り返ったときに判断の理由が分かります。変える回数が多すぎる場合は、そもそも何に困って転職を考えたのかに立ち返ってみるとよいでしょう。

まとめ

条件の整理は、求人を探す前のひと手間ですが、この作業があるかないかで転職活動の進み方は変わってきます。すべてを満たす職場を探すのではなく、崩さない条件を少数決めて、それ以外は幅で考えるという形が現実的です。

  • 求人を見る前に条件を書き出し、判断の基準が動かないようにしておく
  • 条件は絶対条件、重視条件、希望条件の三つの層に振り分けると順位をつけやすい
  • 絶対条件は2つから3つに絞り、崩すと生活が回らないものを優先して入れる
  • 両立しにくい条件は諦めるのではなく、受け入れられる幅を数字で決めておく
  • 絞る、並べる、決め手を探すの三段階で求人を見ると見落としが減りやすい

転職の軸は、誰かに正解を教えてもらうものではなく、自分の生活と希望から組み立てていくものです。書き出してみると、思っていたより条件が少なかったり、逆に整理しきれないほど多かったりと、人によって違う姿が見えてきます。まずは形式を気にせず紙に並べるところから始めて、少しずつ順位を決めていってみてください。

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